1957〜1958 雑誌「旅」掲載
久しぶり再読
新潮文庫のロングベストセラーに18位で残っている。ゼロの焦点とストーリーが混在してきているので気になって。私の中では、松本清張のベストは「砂の器」だけれども。
福岡の海岸で、男女の情死が発見される。ありふれた情死と思われたが、男が汚職事件の関係者とわかり、疑念を持ったベテラン刑事が、犯人のアリバイを崩していく。
昭和32年です。連絡手段は電報。インターネット無し。防犯カメラ無し。聞き込みオンリーからの考察。今のようなハイスペックなトリックは無いが、当時の時刻表を駆使して丁重に時間を紐解く。
「旅」雑誌らしく、九州と北海道を作中に盛り込む。幾つかの特急電車や、寝台特急も登場します。当時、こんな娯楽小説はさぞかし盛り上がった事でしょう。
男子バレーの時間差攻撃は、この小説で思いついたらしいですよ。昭和恐るべし。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2022年3月26日
- 読了日 : 2022年3月26日
- 本棚登録日 : 2022年3月26日
みんなの感想をみる