狐笛のかなた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年11月28日発売)
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「呪い」の呪縛を解くことができるのででしょうか。生まれ落ちて、すぐに使い魔とされた霊狐・野火。主の元での生活以外を知らないで育った。早くに親を亡くし、産婆とともに村の外れで暮らす少女・小夜。母親から異能を受け継いでいる。
小夜は、怪我をした野火を偶然助けたことで、二人の運命は重なり始める。
日本の山村風景、生活、日本の文化を織り込んでのファンタジー。
彼らは、領土を巡る地権争いに巻き込まれていく。決して、犯行できない主従関係をふたりの未来のために、呪いを解く術を探す。
もう少し読みたいぐらいのボリューム感。野間児童文芸賞受賞作。児童文学としてジャストサイズなのだと思います。母親を思う心、友情、愛情、誰かを守るために戦い抜く意思。ハリーも指輪も良いけれど、和風ファンタジーもお勧めしたい。

作中に、神の世とこの世の境界的な場所として「あわい」が登場してきます。このふたりの避難場所にもなるのですが、最近はあまり聞かなくなった言葉です。間というより、少し重なっているというような。昔、赤ちゃんをおぶって、包むものをあわいと言った様な覚えがあるのだけど、方言だったのか調べてもわからなかったけれど、微妙なニュアンスの良い言葉だと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2023年8月3日
読了日 : 2023年8月3日
本棚登録日 : 2023年8月3日

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コメント 3件

みんみんさんのコメント
2023/08/03

あわいって昔は聞いたような…
赤ちゃんのはネンネコだったわ(⑉︎• •⑉︎)

おびのりさんのコメント
2023/08/03

昔言ったよね。
検索できなくて。
意味違うのかなあ?って。

みんみんさんのコメント
2023/08/03

淡いとはまた違うんだよね〜

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