青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。
村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。
中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。
幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。
最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。
aoi-soraさん、一敗です。
涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2022年6月5日
- 読了日 : 2022年6月5日
- 本棚登録日 : 2022年6月5日
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コメント 4件
土瓶さんのコメント
2022/06/05
おびのりさんのコメント
2022/06/05
aoi-soraさんのコメント
2022/06/05
おびのりさんのコメント
2022/06/06