信長没後、世の中は、豊臣秀吉が天下統一に動き出していた。信長と対立していた等伯としては、ようやく絵師としてその場を広げようという時代。
一人の才能豊な画家は、おそらく絵を描く場所を得ることだけ望みだったと思う。
時代の流れは激しく、長谷川家の再興を目指す実兄や元藩主の姫の策略にも巻き込まれる。等伯命名にも関わり、懇意にしていた利休の切腹も助けられない。政治的な厳しさに加えて、長く日本の画壇の中心だった狩野派との対立が顕著になってくる。狩野派の嫌がらせは、なかなかのもの。それだけ、等伯の長谷川派を恐れていたのだけれど。
現存する作品を等伯が描いている様子が、書かれるのですが、絵と等伯のその時の背景と心情が素晴らしいと思います。
多大な資料と考察で、絵師等伯の一代記と、絵師が関わってしまった理不尽な武家社会が読めます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
直木賞
- 感想投稿日 : 2023年6月7日
- 読了日 : 2023年6月7日
- 本棚登録日 : 2023年6月5日
みんなの感想をみる
コメント 3件
みんみんさんのコメント
2023/06/07
おびのりさんのコメント
2023/06/07
みんみんさんのコメント
2023/06/07