推し、燃ゆ

著者 :
  • 河出書房新社 (2020年9月10日発売)
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主人公あかりは、地下アイドルの推し活をしている。その活動は、彼女の背骨だとする。
推しを崇拝するが如く、彼女達は、その活動を支える。そして、その対象となる、仕事学校等を業と名付ける。
若い作家さんで、他作を読んでいないので、作風がわからないのですが、現実の社会生活に馴染めない、納得していないという状況を具体的に書いていきます。そのような状況は、その時代やその年代で表現されてきて、シンパシーを得ています。
あかりは、病名が二つついたという設定ですが、最後までそれを明らかにはしません。
彼女は、日常生活は破綻気味でも、背骨を持った推し活は現実的で計画的とさえ思える行動をとります。
病気かどうかは、不要であったように思う。読者に任せてもよかったのではとも思う。
彼女の推しは、人を殴りSNS上で炎上する。そして、グループ解散結婚であっけなく消滅する。
彼女は、最後に 投げた綿棒を骨に見立てて拾う。
彼女の中で推しも燃え尽き、次の生活に進もうとすると読んだが、違うかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 
感想投稿日 : 2023年2月7日
読了日 : 2023年2月7日
本棚登録日 : 2023年2月7日

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