おちくぼ姫 (角川文庫 た 5-23)

著者 :
  • KADOKAWA (1990年5月25日発売)
3.90
  • (219)
  • (331)
  • (236)
  • (25)
  • (4)
本棚登録 : 3076
感想 : 302
5

今から千年も昔、平安朝時代の日本にあった『落窪物語』というお話を現代語に訳された、田辺流シンデレラ物語です。
みすぼらしい部屋で、つぎはぎだらけの着物を着て、せっせと縫い物をしている若い美しい娘。
その娘は、床が一段落ちくぼんでいるところに住んでいるので、「おちくぼの君」と呼ばれていました。

物語の中で、この時代の結婚形式をわかりやすく説明してくれているので、古典初心者にも安心して読めます。

意地悪な継母の目を盗んで、姫君と少将との恋を応援するお付きの人たちの活躍ぶりが、はらはらどきどきで時にはドタバタで、登場人物たちがみな生き生きと魅力的で、平安時代の恋物語が、想像以上にロマンティックで、ほんとうに面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 田辺聖子
感想投稿日 : 2023年8月26日
読了日 : 2023年8月26日
本棚登録日 : 2023年8月26日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする