ランチ酒 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社 (2020年10月15日発売)
3.71
  • (143)
  • (364)
  • (302)
  • (37)
  • (3)
本棚登録 : 4191
感想 : 280
3

「ランチ酒」このグルメ本のようなタイトルが絶妙です。

主に子どもや老人や動物など、真夜中に見守る仕事をしている主人公犬森祥子にとって、ランチは一日の最後の食事となる。
酒を飲んで、リラックスして眠りに就きたい。

ここに出てくるメニューは、どれも半端なく美味しそう。
祥子の飲みっぷり、食べっぷりが実によく、ふだんお酒を飲まない私も、すっかり飲んだ気分になって気持ちよくなってしまいます。

けれど、アラサー、バツイチで元夫と娘とは離れて暮らしている祥子にとって、一人っきりで飲むランチ酒は、何だかしみじみとしてくる。
深夜に自分を呼んでくれた、孤独な人たちの幸福を心から願い、愛娘の幸せを願いながら、仕事を続けている祥子を、同じ女性として応援したくなります。

ここに出てくるお店は、実在するところばかりだそうです。
食べ物のお話はいいですね。
読むと、思わず元気が湧いてきます!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原田ひ香
感想投稿日 : 2022年3月13日
読了日 : 2022年3月13日
本棚登録日 : 2022年3月13日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする