こゝろ (角川文庫 な 1-10)

著者 :
  • KADOKAWA (2004年5月10日発売)
3.94
  • (800)
  • (646)
  • (797)
  • (55)
  • (11)
本棚登録 : 8493
感想 : 657
3

夏目漱石の作品は「坊っちゃん」に引き続き2作目。
主人公である「私」が鎌倉で「先生」と出会ったことから話は始まる。「私」はなぜかその「先生」が気になり声をかけ、そこから二人の交流が始まる。交流を深める中で「先生」にはある隠された秘密があるであろうことを知る。それを知るのは後半の「先生と遺書」のパートで、「先生」からの遺書が届くことで明らかになる。
簡単に言えば、友人であるKと一人の女性を取り合うような形となり、結果的には「私」がその女性(お嬢さん)と結婚することになったが、それにより友人Kは自殺をしてしまう。そのことが「先生」自身の人生、考え方自体を変えてしまい、最終的には「先生」も自殺という道を選んでしまう。
坊っちゃんに比べるとだいぶ重い話。今の時代でもありそうな話ではあるが、今とはこういった題材に対する世間の受け止め方はかなり違うものであったのだろうと想像される。当時の人はこの作品をどう解釈しどう感じて見ていたのかということがすごく気になった。
やはり古典作品というものは、その当時の時代背景も含めてでないとその良さが伝わりづらいなと個人的には感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月4日
読了日 : 2022年12月3日
本棚登録日 : 2022年9月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする