タイトルがなんとも特徴的な一冊。
ある地方都市に住む5人の人物が主な登場人物で、1章ずつ登場人物が代わる代わる登場して、それぞれの時間軸で出来事が進んでいく。
その5人を簡単に説明すると、市役所に勤める生活保護受給者担当の公務員、若くして強固な地盤を引き継いだ二世市議会議員、大学進学を機に地元脱出を目指す女子高生、万引き保安員の傍ら新興宗教にのめり込む主婦、元暴走族で詐欺まがいの商売に明け暮れる若い男。
それぞれの5人のストーリーは普通に読んでいて楽しめる。地方で住む人間の考え方、生き方、人間関係、お金事情がとてもリアルで読んでいて嫌な気持ちになる程。私自身も地方出身者なので分かる部分が多分にあった。「井の中の蛙、大海を知らず」とは良く言ったもので、まさにそういった登場人物のオンパレード。地方で暮らす人たちが悪いとは言わないが、一度外に出てみるのは改めて大事だなと感じた。
さて、ストーリーだが、当然のようにこの5人が最終的にどう交わりどういった結末を生むのか、そしてタイトルの「無理」という言葉がどう絡んでくるのかを楽しみに読み進めたが…正直結論は「それーー??」という感じ。計500ページ以上引っ張って、その雑なオチなんだよと。。
それぞれの5人のストーリーが面白かったので☆3だが、そうでなければ☆2ですね。
うーん、私にはわからないような深い意味があるのかな…どちらにしてももやもやが残る一冊でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館
- 感想投稿日 : 2023年8月6日
- 読了日 : 2023年8月5日
- 本棚登録日 : 2023年8月1日
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