官能の哲学 (ちくま学芸文庫 マ 15-3)

著者 :
  • 筑摩書房 (2009年6月10日発売)
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感想 : 4
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カフカの著作『城』などが引き合いに出されていたのが印象的だったな。(まあカフカの未完系小説は、想像が掻き立てられるし、論評したくなるんだろうね)「こんなところで出会うなんて奇遇ですね」

官能についてのみならず、表現・表象一般について多岐にわたる論考が展開されていました。示唆に富んでいた。

メディアが究極にまで利便性を追求することで、エロス性が縮小し、霧散してしまう、のではないかとの論旨には首肯致します。“情報論的な早漏”とは言い得て妙。
メディアなる構造そのものがエロスを発生せしめる装置なのではなかろうか。

「見える」という場合、そこには必ず「見えていない」何かがあるというくだりも噛み締めておきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養・雑学
感想投稿日 : 2013年3月6日
読了日 : 2013年3月6日
本棚登録日 : 2013年3月2日

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