獄卒がいて、閻魔大王がいて・・・の仏教的地獄と、イタリア人でカトリック教徒でもあるこのダンテの「神曲」の地獄はとても似通っている。
神曲では死者は「アケローン川」をわたり、地獄に行きつく。
これは三途の川のようでもある。
「神曲」における地獄は、9圏に区切られていて、7.8.9圏の地獄はさらに細かく分類されている。最も深い地獄コキュートスは、「裏切り」の罪を背負ったものであった事が興味深い。また、仏教の地獄にはない、「煉獄」が描かれていて、嫉妬の罪、怠惰の罪、自惚れの罪、などを背負った人が、その罪を償う姿も描かれている。
煉獄を過ぎ、ダンテは天国へと進んでいく。
この本では、ギュスターヴ・ドレという19世紀の画家が挿画をしていて、子供の絵本のように、絵と共に古典を楽しむことができる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
外国文学
- 感想投稿日 : 2010年9月14日
- 読了日 : 2010年9月14日
- 本棚登録日 : 2010年9月3日
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