挑戦する脳 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2012年7月13日発売)
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感想 : 87
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もっと集中して読めば感動を得られただろうなぁ。



登山の仕方には典型的なものもあれば、非典型的なものもある。登坂ルートが異なる。登るときの方法が違う。学校の教育法は、そこに投入される社会的資源の制約などから、典型的な子供に照準を合わせている。その中ですくすくと育っていくのはいわゆる「優等生」。しかし、心地落ちこぼれてしまうような「劣等生」でも、学習していないと言うわけではない。学習法が典型的ではないと言うだけのことである。
保護者が子供に十分な「安全基地」を与えることができた場合、すなわち、子供の自主的な挑戦を背後から見守り、それを妨げない。ただ、見守っていると言うメッセージだけは子供に伝え続ける。そして、困ったときには手助けをしてやる。そのような保護者のもとで育った子供は、成人しても自分の中に十分な「安全基地」のレベルを持っている傾向がある。そのような人は、「根拠のない自信」を持ち、それを努力によって裏付けようとする。不確実な状況にも積極的に飛び込んでいき、新たな挑戦を重ねることを好む場合が多い。
笑いは、自分の置かれている状況を「外」から「客観的」に見る「メタ認知」をもたらす。メタ認知を通して、自分と他者との関係を見直すきっかけが得られる。
オルタナティブとは、「代わりとなる、型にはまらない」といった意味を指す言葉。
臨死体験の話。病院のベッドの上に横たわっている自分を、天井から見つめているこのような「臨死体験」は、死と言う最後の挑戦を前にしての、意識ある人間の脳の精一杯の対応であると考えられる。「臨死体験」から読み取られるべき意識と死の関係とは何か?その幻視の中に、人間のどのような願望が込められているのか?

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感想投稿日 : 2019年6月8日
本棚登録日 : 2019年6月3日

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