様々な事件を取り上げて、反社会勢力の、金融事業、事業会社への食い込みを記載。事件を起こしたものへの筆致は厳しいが、それにとどまらず、背景へも目が配られる。/2000年代、土地に投資が向かったのは、特定目的会社の設立が容易になったこと。キャピタルゲイン(不動産の値上がり分を収益とする。土地が永遠に上がり続けないと誰かがババを引く。)が否定されて、収益還元法(不動産から得られる賃料等の収益を元に価格を評価)が絶対化されたこと。/"ファンドにデリバティブをかませることで資金を極大化し、さらに証券化により債権を流動化するなどという金融テクニックは、金融機関が顧客に提供したり自らが投資プレイヤーとなってファンドを組成する際に散々活用してきたもの"/ただ、ライブドアへの評価は厳しすぎるように感じる。また、見せしめで逮捕されて無罪になった人へ、やりすぎたのだから仕方ない、みたいなものいいはフェアではないと感じる。誰を、どの会社を実名でだし、どれを匿名にするかという選択にも恣意が感じられ、引っかかるところではあった。
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2017年4月3日
- 読了日 : 2017年4月16日
- 本棚登録日 : 2017年4月3日
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