玻璃の天 (文春文庫 き 17-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年9月4日発売)
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暗雲垂れこめ始める昭和初期の帝都を舞台に、令嬢(花村英子)と運転手兼お目付け役兼護衛のベッキ-(別宮みつ子)が、不可解な出来事に挑む『街の灯』に続く<ベッキ-さん>シリ-ズ第2弾。 上野の帝国図書館で閲覧した明治31年の「東京日日新聞」の死亡広告が鍵となる『幻の橋』、デートリッヒのスパイ映画「間諜X27」と暗号解読が絡む『想夫恋』、才色兼備・男装の麗人〝ベッキ-さんこと別宮みつ子〟の過去の素性が明らかにされる『玻璃の天』の三篇は、歴史の歯車が加速をつけて回転を始めた、不穏な時代の哀切感がただよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2022年6月16日
読了日 : 2022年6月14日
本棚登録日 : 2022年6月14日

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