原寸美術館 画家の手もとに迫る

著者 :
  • 小学館 (2005年5月18日発売)
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感想 : 11
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「巨匠たちの手元」に焦点を当て、名画の数々を原寸で再現した図録。

人のシルエットと並べ、実際のサイズ感をわかりやすくしており、
絵のどの部分がピックアップされているかも図説されている、親切な一冊。

これは面白かったしワクワクした!

全体で見るのと、「寄り」で見るのでは、作品の印象も大きく変わるし、
タッチや色使いを紐解くようで、原寸ならではの楽しさがある。

以下、読書メモ。

・ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
縁取り線を多用する画風が見られる。

・ダヴィンチ「最後の晩餐」
よく見ると晩餐のメニューは魚ということがわかる。
添えられたレモン、クロスの質感にも注目。

・ダヴィンチ「モナリザ」
指の腹だけでぼかすスフマート技法が見られる。

・フェルメール「牛乳を注ぐ女」
盗撮の視線を感じる。小穴付き暗箱(カメラオブスクラ)のような感覚を感じる。

・マネ「フォリーベルジェールのバー」
チューブから絞り出したそのままの、色を直接カンバスに置いていく「アッラプリマ技法」(ぶっつけ描き)を使用。

・ルノワール「ムーランドラギャレットの舞踏会」
画面いっぱいのきらっとした光の斑点を感じることが出来る。

・モネ「睡蓮、緑の反映」
鮮やかな色彩が飛び合う様子が見られる。

・ゴッホ「星月夜」
チューブから絞り出す生の色。激しい筆のタッチとドライブ感を感じることが出来る。

その他、ターナー、ブリューゲル、ミレー、セザンヌ、スーラ、ボナール、エゴンシーレ、クリムト、シスレー・・・
等、多くの巨匠たちの名画が取り上げられている。

特に、やっぱり、印象派や後期印象派、点描画家のスーラなどの作品は、「引き」と「寄り」ではがらりと印象が変わるので面白かった。

この原寸シリーズ面白いな。もっと色んな作品で作って欲しいと思った。(もう作ってるかもしれないが)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年9月21日
読了日 : 2021年9月21日
本棚登録日 : 2021年9月21日

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