艦隊シリーズもだんだんとイデオロギーの塊になってきてしまった。
特にこの紺碧9巻は前世で言えば太平洋戦争終結を見た、昭和20年8月以降の大幅に狂い始めた歴史の総括というか、アジアの政治情勢を総括する巻になっており、ロシアから迫りくる独逸軍を迎え撃つための陸軍同盟軍の陣容をまたまた作者の強い思い込みを中心に描いてしまったという感じで、娯楽小説から、作者の心情解説本になってしまった。
登場人物にも困ったのか、アジア同盟軍会議のすっせ貴社がそもそも支離滅裂で、日本からは明治維新を戦った桂小五郎、周恩来の人民中国からは何と三国志の曹操、蒙古からは成吉思汗の末裔、蒋介石の中華中国からは劉邦となんだかわけのわからない人物構成になってしまった。
しかも亜細亜国連会議なる会議体の議長には孔明が現れた。
ここまでくると、作者の時代認識というか、作者の中国に対する歴史理解の浅さというか、勉強不足が露呈してきてしまい、やっちゃったなという感想。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年9月23日
- 読了日 : 2009年9月25日
- 本棚登録日 : 2012年9月23日
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