日本を創った12人 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所 (2006年2月1日発売)
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感想 : 32

本書では日本の歴史上の人物に焦点を当てている。
当初は、歴史上有名な人物を簡潔に紹介していく内容の本だと思って購入したのだが、そうではない。

本のタイトルどおり、日本を「創った」12人、ということで、今の日本に根付いている社会や組織のあり方、日本人の価値観、宗教観のもとになる考えを創出したり大きな影響を与えたのが以下に挙げる12人なのだと筆者は論じる。その12人とは
聖徳太子、光源氏、源頼朝、織田信長、徳川家康、石田三成、石田梅岩、大久保利通、渋沢栄一、マッカーサー、池田勇人そして松下幸之助である。

例えば、勤勉を説いた石田梅岩の考えは、鎖国化で拡大経済をなしえなかった日本において、余剰の労働力を細かい心遣い、例えば家具の微細に至るまで装飾を施す方向に向かわせた結果、今の日本人は品質にやたらと煩くなってしまったのだとか。

石田三成はそれほど有力な武将でもなかったのに、関ヶ原の合戦をお膳立てしたのは、下からでも有力者に働きかけることで大きなイベントも起こすことができたからであり、筆者曰くそのような例は歴史上石田三成が最初だという。若き通産官僚であった筆者はこれに勇気づけられ日本の万博開催を発案、成功させたそうだ。
全体的には、光源氏も含め、ほぼ日本の政治、経済の観点からとらえた視点で述べられており、そこはやはり元官僚の目線である。

なるほど、こういう見方で日本史をとらえてみるのも面白い、というのが読み終わっての感想である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2019年11月20日
読了日 : 2019年11月19日
本棚登録日 : 2019年11月9日

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