プチ・プロフェスール

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年9月10日発売)
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本棚登録 : 286
感想 : 72
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理論物理学専攻の大学院生のリケジョ・律とリケジョ志望の小学4年生・理緒。
2人が身近に起こった事件を次々と科学的に解決していく連作短編集。
科学的根拠に基づいて事件の謎を解き明かしていく様子は明快で気分もスッキリ。
律が理緒にも分かるように解説してくれるので私にも分かりやすい。

「遠く離れていても、会えなくても、話せなくても、科学は道しるべになる。どんな人にとっても答えが同じになるのが、科学のいいところ」
科学は誰にも等しく答えを導く。
その一方で非科学的で一見無意味にも思える人の心情もとても大切。
人が生きていく上で、科学・非科学、両方の大切さを改めて思い知った。
かつて「プチ・プロフェスール(小さな教授)」と呼ばれた律から様々な知識を受け継いだ理緒。
いつか立派なリケジョになることを期待して。
ぜひ続編で理緒の成長ぶりを読みたい。

「不思議だねって終わっちゃうのは、つまらない。だって、ひとつの不思議が解けたら、もっと大きな不思議が出てくるの」
「不思議さに心を震わせる感性と、懐疑する精神ーそのどちらが欠けても、科学という営みは成り立たない」
科学ってほんと面白い!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伊与原新
感想投稿日 : 2019年3月4日
読了日 : 2019年3月3日
本棚登録日 : 2019年3月2日

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