間違いない、彼女は堂々たる小説家だ。
2作目となる今作を読んで、あのデビュー作の出来がまぐれではなかったことを確信した。
またもや泣かされることになろうとは…
生きることについて教わることになろうとは…
今作は現代の中学生が日頃抱える問題に寄り添った連作短編集。
いつまでも無邪気な子供ではいられない。
けれどいくら煙たがれても、大人が差しのべる手は絶対に必要。
思春期の不安定な心情を描く同級生ならではのリアルさと、俯瞰した眼差しで彼らを冷静に見つめる落ち着き。
この両方でもって描かれた、ちょっと不器用な14歳達はみな抱き締めたくなる位愛しい。
全ての短編に登場して悩める主人公達をナイスアシストする中原君がいい味出している。
彼を要所要所に登場させ物語を引き締めまとめる辺りがとても巧くてニクい。
次回作を読むのが待ち遠しい。
作中に出てきたオススメ本、山本周五郎作『樅ノ木は残った』もいつか読んでみたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
鈴木るりか
- 感想投稿日 : 2019年1月24日
- 読了日 : 2019年1月24日
- 本棚登録日 : 2019年1月24日
みんなの感想をみる