14歳、明日の時間割

著者 :
  • 小学館
4.01
  • (58)
  • (98)
  • (44)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 678
感想 : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865241

作品紹介・あらすじ

文学界騒然の中学生作家待望の第2弾小説!

現在、青春時代のまっただ中にいる方はもちろん、学生時代が遠い昔という大人や遥か彼方という熟年世代まで、どんな世代も共感できる、笑える、そしてホロッと泣ける、全方位型エンジョイ小説の誕生です。
短編小説を学校の時間割に見立て、7つの物語が展開されます。

短編小説が入賞。作家となった少女への国語の先生のお願いとは。半分は私小説を思わせる作品。

家庭科を得意とする少年が抱える事情と、見守る少女の想い。思わずキュン涙必至です。

都会への転校を前に、孤独感に苛まれる少年の再生物語。少年の孤独と不安を癒やしたのは……。

ダメな大人たちに囲まれた少年のピュアな成長ダイアリー。中学生目線の鋭い大人描写が胸に迫ります。

孤独な少女の心の葛藤と青春。ヒリヒリした中学生ならではの複雑な感情に、誰もが共感を覚える一編。

体育が大の苦手な少女が決意した大きな挑戦と努力。彼女の周りの人々の生き様と「生きる」ことへの希望。

夢を持ち続ける大人、先生の苦悩とリアルな心情。大人はいつまで夢をみていいのか。
全7編。

【編集担当からのおすすめ情報】
デビュー作にして10万部のベストセラーとなった「さよなら、田中さん」の続編希望の声が多い中、「これだけ、と思われたくないのでまったく違う作品を書きます」と始まった挑戦。何度もハードルの高い宿題、改稿を乗り越えたあげく、彼女でしか書き得ない、珠玉の短編集が誕生しました。
この瑞々しさ!この感性!
いたるところで共感し、爆笑し、懐かしく想い、目からウロコが落ち、ハッとさせられ、そしてホロッと泣いてしまう。全世代が心から愉しめる一冊です。
「私たちが、同時代に鈴木るりかという作家を得たこと。これは事件だし僥倖だし大きな希望です」という俵万智さんのことばを、誰もが実感できる傑作です。
装画は大人気の矢部太郎さん(カラテカ)。小説への描き下ろしイラストは初となります。カバーイラストはもちろん、表紙や扉、各章終わりなど随所で素敵なイラストが愉しめます。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一作目が非常に良かったので、こちらも期待しながら読んでみた。
    「さよなら、田中さん」の世界を今一度味わいたいような、いやそれとも新たな著者の世界に出会いたいような。。そして大変満足した。
    遠い昔になった中学生時代にタイムトリップした気分と、今を生きる子どもたちの息遣いがリアルに感じられる物語で、笑ったり考えさせられたりほろっと来たり。
    きびきびとした短めのセンテンスと嫌味のない表現。まわりくどさとは無縁の、終始明るい筆致だが、時折ハッとさせられる鮮烈な場面もある。

    7つの短編を学校の時間割に見立てての構成で、1時限目は国語。2時限目は家庭科。
    3時限目、数学。4時限目、道徳。そして昼休み。
    5時限目と6時限目は体育で、最後の放課後まで。
    それぞれ語り手(主人公」は違うが、章ごとのキャラクターはどれも際立っている。
    そして全ての話に共通して登場するのが「中原君」という男の子。
    成績優秀なスポーツエリートで、クラスの人気者。
    この「中原君」が要所要所で誰かをフォローするキーマンだ。

    スーパーマンのような「中原君」だが、順風満帆とは言えない事情があり、それは「体育」の中で明かされていく。
    作品全体の要とも言える部分で、主人公とその祖父との会話、仲良しの友人の隠された素顔、中原君の抱えていた胸の内や、ひとの死と言葉に出さない内面、ほのかな恋心などが上手くテイストされて、切なさとユーモアを随所にまじえて語られる。
    大人であれば「そういうこともある」で済んでしまうような話でも、中学生だったらひとつひとつが「今を生きる力」に影響しそうな大きな事柄だ。
    不安も悩みも抱えているのが当たり前で、大切なのはその向き合い方だと、恥ずかしながらオバちゃんはこの子たちに教わったわ。

    「国語」の章で「死ねば悲劇になると思うのは安直だ」と批判している著者が、この「体育」では主人公を死と向かい合わせ、それが、生きる希望へと繋がっていく。
    もしや鈴木さん、大変な策士ではないのかな。
    一段と腕をあげた作者の今後が、ますます楽しみだ。

  • 間違いない、彼女は堂々たる小説家だ。
    2作目となる今作を読んで、あのデビュー作の出来がまぐれではなかったことを確信した。

    またもや泣かされることになろうとは…
    生きることについて教わることになろうとは…
    今作は現代の中学生が日頃抱える問題に寄り添った連作短編集。
    いつまでも無邪気な子供ではいられない。
    けれどいくら煙たがれても、大人が差しのべる手は絶対に必要。
    思春期の不安定な心情を描く同級生ならではのリアルさと、俯瞰した眼差しで彼らを冷静に見つめる落ち着き。
    この両方でもって描かれた、ちょっと不器用な14歳達はみな抱き締めたくなる位愛しい。
    全ての短編に登場して悩める主人公達をナイスアシストする中原君がいい味出している。
    彼を要所要所に登場させ物語を引き締めまとめる辺りがとても巧くてニクい。

    次回作を読むのが待ち遠しい。
    作中に出てきたオススメ本、山本周五郎作『樅ノ木は残った』もいつか読んでみたい。

  • 『さよなら、田中さん』の衝撃が、単なるビギナーズラックじゃなかったことを証明してくれる第二弾。これまたすごい。
    田中さん、大好きだったから、あの母子超えるキャラなんてそうそう生まれてこないだろうなんて思っていたのだが、いやはや、るりかちゃん、さすが。
    14歳のころって、それぞれがなにかしら悩みを持っていて、その悩みっていうのは大人になれば「そんなことで悩まなくても」って思っちゃうくらいの者だったりもするのだけど。だけど、その悩みのひとつひとつにつまずいたり立ち竦んだり後ずさりしたり、しているわけだね、14歳。
    そのリアル14歳の渦中にいるるりかちゃんだから、その悩みを内側から描くことができたんですよね、あたりまえだけど、これってある意味とても勇気のいること。自分の「今」を描くのってとても恥ずかしかったり苦しかったりするはず。それを物語にするためにどこか少し離れたところから「今」を見る眼が必要なわけで、その眼をもっているるりかちゃん、本当にすごいなと思った。
    そして今作では、中原君という「間違いなくいい子」(だけどやはり悩みを抱えている)をピンポイントで登場させることで過剰に渦中に巻き込まれることなく第三者として彼らを見守ることができる。その立ち位置も心地よくて。
    14歳だったころの自分の、毎日の滑稽なほどの悩みっぷりを思い出してしまった。

  • 「自分が中学生のころに読みたかった!」小説です。

    各章の名前は
    ・一時間目 国語
    ・二時間目 家庭科
    …のように、ちゃんと時間割になっています。

    ひとりの主人公のお話?と思いきや、各章ごとに、ひとりひとり違う中学生が主人公です。 

    読んでいくと、
    「あ、これ私のことだ!」
    と思える子のお話に出会えるはず。

    私は、実力テストはダメだけど学校のテストは良かったため、まわりから「勉強できるやつ」と思われてきて苦しい学生時代でした。
    それと同じような状況の子が「三時間目 数学」にいたのです!
    なぜそうなってしまうのか、も教えてくれるし、読んでいる「私」の気持ちもわかってくれるし…
    「そうそう、そうなんだよ、だから苦しいんだよね、わかる!」
    読みながら、自分の気持ちも軽くなりました。

    すべての科目に、脇役または準主役として登場するのは、中原君という男の子です。
    主人公はそれぞれちがうお話なのに、中原君が毎回登場することで、つながりが感じられてきます。

    いま中学生の方に、そしてむかし中学生だった方に、オススメの小説です。

  • できれば、デビュー作の「 さよなら、田中さん 」から読んでみたかったけれど、図書館の予約がすごくて、まだ時間がかかりそう

    先に手に入ったこの本から読んでみた
    初発の感想は、14歳おそるべし、14歳侮るなかれに尽きる
    感想を言うにも、14歳が頭から離れない
    ごめんなさい、るりかさん

    自分の14歳の頃って、こんなにしっかり物事を見ていたっけ?
    山本周五郎の「 樅の木は残った 」をすでに読んだわけ?

    確かに、友達にどう思われるかばかり気にして、何となく相槌打っていたこととか、マラソン大会や運動会、球技大会が大の苦手で、憂鬱だったこと
    全員参加なんてお為ごかしの言葉が迷惑だったこと、あるある話にニンマリ

    そうかと思えば、それぞれの章の何気ないところで、さりげなく中原くんを登場させ、絶妙のアドバイス 、スパイスのようにピリッとそして温かく話を支えている

    でも、こんなに生きることについて考えていたかなあ
    自分は何のために生きているんだろうなんて考え出したのは、大学に入ってからじゃなかったかな

    どんなに絶望的なひどい状況でも、息ができるならまだ大丈夫だ

    祖父が身をもって命の最後を孫に伝えていく場面では、涙が出た

    これからまだ先は長い
    ゆっくりと育っていってほしいな

    ー余談ー
    表紙の裏の作家紹介
    血液型や一人っ子なんて情報、必要なのかなあ
    もちろん作家さんや作品とはなんの関係もないけれど、出版社の
    ウケ狙い的な意図が見え隠れ
    最近、こんなことに引っかかってしまう



  • デビュー作『さよなら、田中さん』はびっくりした。【中学生が書いたとは思えない】が、逆に『中学生じゃないと書けない』物語だと思った。
    みずみずしくて伸びやかで

    この作品でも、1、2時間めは良かったんだけどね⤵みずみずしかったし

    途中から少女マンガ風になってきた。【まぁ、中学生(今や高校生)だからね】byねこねこ日本史という感じ。中原君活躍しすぎ。少女マンガによくあるパターン

  • 中学生という年齢の作家が書く文章として大人びているのかと言われれば、相応のみずみずしさが有って、変に大人ぶっていない所がとてもいい所だと思います。
    難しい所や言い回しに頼る事無く、分かりやすく身近なテーマで書ける所が、精神的に成熟していると感じます。自信が有るからこそ小細工しなくても書けるのでしょう。
    面白さとしては今回及第点という所でしたが、読んでいて楽しい気持ちや、悲しい気持ちが素直に引き出されて気持ちいいです。

  • すごい…まじでぜんぜん14歳とは思えない…
    それぞれの章が同じ学校の生徒とか先生のお話になってて、
    思春期ならではの悩み〜〜って、くぅ〜〜っと懐かしくなりつつも
    この子本当に相当読んで書いて来てるんだろうなっていうのがわかる文章でした。
    おっきなぶっ飛んだ設定があって〜とかではなく、
    日常を丁寧に書いてあって、
    最後はどこか希望が残るさっぱりした読了感は、私の大好物です!

    全部の章を通して、運動神経抜群、眉目秀麗、すごい良いヤツな
    中原くんときめく!!!中原くんクラスにいたらもうみんな好きになっちゃうわ!


    14歳の若い輝きに目を潰されるかと思いましたが、
    ふっつ〜〜に良い本だったので、心が洗われました。

    あ、一個だけ気になったのは挿絵…が気が散る…
    表紙は別にだれが書いてようが、映画の写真になってようが、カバーしちゃったり、読んでる時に目に入らないから全然気にしないんだけど、挿絵って絶対読んでると目に入る分、重要だよね…
    私のイメージとぜんぜん違う挿絵が各章の最後に入るからその度になんか読了感に水を差された。

    文庫とかになった時には挿絵抜かれるかな?
    個人的には挿絵描いてる人と感性が合わなかったので挿絵なしでいい。

  • 図書館で借りた本。
    時間割に沿って、主人公を変えながら話が進んで行く。よく見ると同じ人が登場していて、同じ学校の話だとわかる。小説が上手にかけたり、運動や家庭科が苦手だったり、色々な人の目線になって、話が進んで行く。

  • 始めは14歳の作者がモデルの少女が国語担当の教師に困らせられる話で自伝的な話?と思っていたら時間割の教科に合わせて幼馴染みの完璧男子、中川君が軸になってクラスメイトの様々な模様が描かれ出す。高校受験の勉強上手くいかないとか運動神経ゼロだからマラソン大会嫌だなーとかの中学生らしい悩みから大人でも解決出来ない普遍的悩みにシフトするのがとても自然でびっくりした。容姿に拘る女の子の裏とか。体育の章の祖父の話は色々心に来る。しかし各章の悩みに対して中川君が示す解決作がイケメン過ぎ!惚れてしまうやろー。

全91件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

鈴木 るりか(すずき るりか)
2003年東京都生まれ。史上初、小学4年生、5年生、6年生時に3年連続で小学館主催『12歳の文学賞』大賞を受賞。あさのあつこさん石田衣良さん、西原理恵子さんらが、その才能を手放しで絶賛した「スーパー中学生」。2017年、14歳の誕生日に大賞受賞作を含めた連作短編集『さよなら、田中さん』発表。近年では珍しいローティーンの文壇デビューで、各メディアの注目を集めベストセラーに。

鈴木るりかの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

14歳、明日の時間割を本棚に登録しているひと

ツイートする
×