晩年の芥川自身を主人公とした物語で、芥川の死後発表された遺稿の一作。
苦悩と陰鬱さが物語全体を覆う。不気味な幻視、妄想が芥川を自殺に追い詰めたのだろうか。
偶然にもアガサ・クリスティーの遺作と同時期に読了。遺作というだけで寂寥感が半端ない。
何度も象徴的に登場するレインコートの男。
精神的な圧迫感にぞくそくさせられた。
最後の一文「だれか僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」がとても衝撃的。
タイトルの「歯車」は、晩年の芥川の視界に歯車のようなものが実際に映っていたことから付けられた、という。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芥川龍之介
- 感想投稿日 : 2022年11月14日
- 読了日 : 2022年11月12日
- 本棚登録日 : 2022年11月12日
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コメント 2件
おびのりさんのコメント
2022/11/15
mofuさんのコメント
2022/11/15