ブラック・スワン降臨: 9・11-3・11 インテリジェンス十年戦争

著者 :
  • 新潮社 (2011年12月7日発売)
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感想 : 60
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元NHK・ワシントン支局長を務めた手嶋龍一氏による、9.11から2011年のビン・ラディン殺害にいたるまでのアメリカのインテリジェンスをめぐるノン・フィクション。

最初に感じたのは、手嶋氏の文章は相当うまいし、筆致は冷静である。こういうジャーナリストが手がける文章は、往々にして、「感情」がほとばしってしまい、短絡的に結論を印象付けることに陥りやすい。
それに対して、氏の文章はキレもあり、英語で書かれた伝記やルポルタージュのようである。

正直に言って、この本に書かれている内容が正確かどうかはわからない。しかし、ふだん我々が接するニュースのレベルとは取材の掘り下げ方が段違いであるということはわかる。

ただ、アメリカ政府によるインテリジェンスの不全を投げかける著者そもそもの意図はわからないでもないが、そこについては、単に属人の問題ではないのだから、もう少し広い視野で語る必要があると感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2012年3月3日
読了日 : 2012年3月2日
本棚登録日 : 2012年3月2日

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