離婚を考えていた夫婦に娘が溺れたという一報が入る。医者より臓器移植の判断とそのための脳死判定の判断を迫られた夫婦が選んだ対応は。
東野圭吾さんのは、ガリレオなど推理系を読むことが多く、今回のような話は、初めて読んでみた。
国内臓器移植とそれに伴う脳死判定についての諸問題は、結構読むには、しんどい気持ち人させるものだったが、本自体は、続きが気になり、スイスイと読み進められた。
体の中のちょっとした動きから体を動かす技術の話など、この話で考えさせられたところは、多くあるが、一番気になったのは、娘の母、薫子という人物である。
2章、3章などは脳死状態と言える娘に対して、少しの希望から必死に行動すると受け取れるし、他の話でもありそうではある。少しずつ常軌を逸してきているような感じもあるようなところであるが、4章になると、さらにトリッキーな展開に合わせて、びっくりするような行動をとる。素直に騙されたしまった。
しかも、惹かれていく人もいる辺りは、ちょっとどうかなと思いつつも、それこそ、これだけ思いが強くなっていく人には、そうなっていくのかという気もして、面白かった。
周りとのズレや狂気じみていく行動など、不穏になっていくが、終わり方は、自分としては、ホッとするもので、よかった。少しでも薫子には、救いのある終わり方ではなかったかと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年2月24日
- 読了日 : 2020年2月22日
- 本棚登録日 : 2020年2月11日
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