あなたが消えた夜に

著者 :
  • 毎日新聞出版 (2015年5月16日発売)
3.34
  • (34)
  • (136)
  • (165)
  • (50)
  • (10)
本棚登録 : 1198
感想 : 159
4

中村文則初読。
帯に惹かれて読んだが、内容は自分が思っていたのとは違い、切ないテイスト。
連続通り魔事件が発生した町。犯人はコートの男。謎めいた事件を追う所轄の刑事中島と、捜査一課の女刑事小橋。関係ないが、初めは二人の会話になんとなくイライラさせられた。まあ、そんな二人も過去に傷を負っていて・・・。
ここからはネタバレ。
結局コートの男は存在しなかった。最初に起きた事件の被害者は、ある女性を脅していた男で、その男を女性が刺し殺し、彼女を守ろうと画策した男性3人ででっち上げた犯人像が『コートの男』。そこから模倣犯が生まれたりして、捜査は困難を極めるが、いよいよ2人は犯人に近づいていく。
で、感心したのが構成。第1部と第2部が刑事側からの視点となり、犯人に迫っていくのに対して、第3部が犯人側からの視点となっているため、刑事が事件を解き明かすのに対し、犯人からの主張とかも読み取れるので、第3部があることによって、納得できる部分が多い。
人間の逃れられない過去や悲しい内容っだたに関わらず、読後はすっきりとさせてくれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年1月16日
読了日 : 2016年1月16日
本棚登録日 : 2015年7月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする