友情について 僕と豊島昭彦君の44年

著者 :
  • 講談社 (2019年4月23日発売)
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感想 : 26
5

毎日小学生新聞の連載で
佐藤優がこの「豊島君」について語っていて
読みたいなあとずっと思っていた本。

①カイロス(timing)ある出来事が起きる前と後では、事柄の質が変わるような時間。
ex:記念日
神学を勉強して有益だったのは、カイロスに敏感になったことだ。(p42)
「今、豊島君は何をしているのだろうか」このような感情は相互的なので、豊島君も私について考えたことがあると思う。

夢に出てくるとかありますが、それはそうなのかなあ。

②佐藤優の父の教え
大学教育は受けろ、適正があれば大学院まで進め、高等教育を受けると、国家が国民に嘘をついているときも、それを見抜くことができる。口に出すことができなくても、戦争に負けるということが分かっているといざというときに判断を間違えない。

佐藤優の父もまた、すごい方だったのだろう。
こういう、本質を伝えられる親になりたい。
母もまた、沖縄の防空壕で手投げ弾のピンを抜こうとして、となりにいた兵士から
「国際法で女性と子どもは守られる」
「死ぬのは捕虜になってからでもできる」
と耳打ちされ、命を取り留めた経験を持つ人だった。

③植民地経営→地政学が重要。
日本は島国→ネットワーク重視の海洋国家
半島国家→地政学的に半分海洋国家、半分は大陸国家のハイブリッド
大陸国家の基本戦略は自国の領地を増やして効率的に統治すること→マネジメント能力

人々をまとめていくにはやはりノウハウが必要なのだ。
まだまだ学ぶことは多い。
雑多になっている。
経験だけでものをいうのではなく、論理も同時に構築したい。

④逮捕されてからは、日記と手帳がとても重要になる。特捜は手帳に書いていることを物証にするので、それで実際と違う話を作られてしまう危険性がある(p151)

どこも面白いが、ここの話もかなり興味深かった。要するに、もう違う話ができないくらい細かくログをとっているのだ。佐藤優のノート、日経Womenかなにかで見たことあるが、時間と何をしたのか細かく書かれていた。
さらに唸ったのは、ATMで入金は絶対にしないという話。引き出しておいて、多かったからといってあとで入金すると、これが記録になる。どこに送金したんだ、と。そこから勝手に話がつくられていく。
結局、payだってポイントだってTカードだって同じなんだよね。管理したいという国家の戦略なのでは、と浅はかな私は思ってしまう。

⑤生きていく上で特に重要と思う事柄(8項目)
1 こんなもんだと思うこと。
仕事が厳しいのは当たり前。

2 仕事以外に自分の生きる目標を作る。
好きなこと、やりたいことを見つける。

自分だったらなんだろう。
家族、書道、お花・・お茶も興味あるなあ。

3 いい経験をしている、と思うこと。
置かれた環境を楽しむくらいの余裕。

4 人的ネットワークを作ること。

苦手分野だ、たぶん。
当面は、会ったときに笑顔で話す。
はがきを書く、を続けていこう。

5 目標となる人を作ること。
自分もそういう人になれるよう努力する。

今まで、人には恵まれてきたと思う。
特に大学、仕事を始めてから。
どんな人と一緒にいるか、の影響は極めて大きい。
学ぼう。

6 チャレンジ精神をもつこと。
できるかどうかわからないことをやってみる。

あー、これできてるかな。
毎日がどちらかというとできるかどうかわからないことばっかりなんだけどなあ。

7 自分の座標軸を見失わないこと。
これだけは譲れないもの。
その軸から今の自分が外れていないか常に意識しておく。

ここから逸脱すると、きっと精神がおかしくなるんだろう。

8 一喜一憂しないこと。
小さなことで一喜一憂しない。

人生には波がある。
うまくいく日もあればうまくいかない日も。
うまくいかない時期もある。
長いスパンでみる。

人生は短い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年10月22日
読了日 : -
本棚登録日 : 2019年10月22日

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