アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子 (幻冬舎文庫 ふ 21-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (2011年7月25日発売)
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躊躇なく被疑者を殴り、同僚に低利で金を貸し付けて飼いならし、暴力団や中国マフィアとも平気で手を結ぶ。警視庁上野署組織犯罪対策課の美人刑事・八神瑛子は夫を亡くして以来、その美貌からは想像もつかない手法で数々の事件を解決し、警視総監賞や方面本部賞を何度も受けている。そんな瑛子が管轄する区域で広域指定暴力団・印旗会の組長の娘が刺殺された。瑛子は、悪徳刑事の排除を目論む上野警察署署長・富永昌弘から監視される中で、独自に捜査を始める。
だが、その矢先、手口が同じで、被害者の容姿も似た刺殺事件が、富永らキャリア警官から不審の眼で睨まれながらも、なりふり構わず連続殺人事件の真相に迫ろうとする瑛子。
その胸中には、夫の死を自殺と断定した警察組織への激しい憎悪が渦巻いていた。
孤独で冷徹な女刑事の魂が躍動する、新・警察小説シリーズ第1弾!!
最近、米倉涼子主演でドラマ化されたが、より原作のほうがゴリゴリのハードボイルドです。主人公の八神瑛子は、犯人を検挙するためなら、ヤクザと親密な関係を結び便宜を図って、金に困った同僚には金を貸して、その代わりに捜査当局が得られない情報を得て真相にたどり着く有能なはみ出し刑事。
デビュー作「果てしなき渇き」に比べると心情描写を最低限にしながら痛快なバイオレンスやエロスを絡めつつぐいぐい引き込まれるので、より痛快な後味のハードボイルドに仕上がっています。元プロレスラーの里美や八神を付け狙う富永や八神の重要なサポーター劉英麗などのサブキャラもリアルで印象的です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年12月13日
読了日 : 2022年12月13日
本棚登録日 : 2022年12月13日

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