駄作。
読んでいて、イラつきが絶えない本に久しぶりに出会った。
どこかの編集者の言葉を引用するなら、
筆者自身が「品格なき筆者による品格ある国家論」と自己評価を加えている、その諧謔精神がせめてもの救い。
「論理」を否定したからこそ、
ここまで出鱈目な批評を述べることができるのか。
それとも、
「論理」を否定することで、
自己正当化を図りたいのか。
先人の思考格闘の成果である「古典」を読むことを通じ、
現実社会の表象的混沌を再構成しなおすという作業もせず、
ただ「ロックの無責任発言」などといった一面的な戯(たわ)けを抜かす筆者には、全くもって開いた口が塞がらない。これでは大衆をだますことに他ならない。
所詮、人が1人では生きられないとの同様、
国家も孤独にして生きてゆくことはできない。
日本古来の無形資産である「礼儀」とは、
そもそも相手を尊ぶ精神だったはず。
そんな「礼儀」のない暴論こそ、
駆逐されるべきだろう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年6月13日
- 読了日 : 2006年5月14日
- 本棚登録日 : 2011年6月13日
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