百貨店外商部という望まない職場で悶々と働く独身のナオミ。
銀行員と結婚して幸せな専業主婦になるはずが、夫のDVを受けるカナコ。
ふたりは共謀して、夫を排除する―
ごく普通の人が殺人者になるって、意外と単純な理由なんだろうか。
でも、そこに至るまでに細かい事由がたくさんたくさん積み重なっているんだな。
ナオミの正義感、母の受けていた暴力、仕事で知り合った中国人…
だけど、実際こういうDVによって心を恐怖で支配された人が救われるって難しいよね。
だって自分からアクション取れないから。瀕死で病院に運び込まれて発覚、とかじゃ?
あまりにもどかしくて、殺人を選んだふたりを応援する心境になってしまう。
そうさせたかったのか作者。
主ストーリーには、高齢者問題や日本で働く中国人のあれやこれやも盛り込まれ、読み応えがありました。
流行りの?イヤミス程にくらーい気持ちにはならなかったので、やっぱり奥田さんの小説は好き。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
サスペンス・ミステリー
- 感想投稿日 : 2015年4月9日
- 読了日 : 2015年4月9日
- 本棚登録日 : 2015年4月9日
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