われらの時代 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1963年7月2日発売)
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感想 : 59

たぶん、歴史において語られるのは、主に動きのあるもので、だから世の中は時代ごとに変化がみられる。でもその側面で絶望している語られない部分は、どの時代を通しても同じなのだと感じます。あるものから脱け出しても自由になることは出来ず、しかし脱け出してしまえばもう元に戻ることは不可能で、希望を持てず、唯一できる〈行動〉、つねにある自殺の機会を見送りながら生きていく。もう的確すぎます。そして、自己の問題ほど、主観的には悲劇でも客観的には喜劇なんだなと、それを痛感するような作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学 日本
感想投稿日 : 2019年1月6日
読了日 : 2015年4月16日
本棚登録日 : 2019年1月6日

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