主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!

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  • ダイヤモンド社 (2011年11月11日発売)
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糖質制限ダイエットの理論的支柱。炭水化物を摂取しないと、健康になる本。肉食いくらでもOKとしているのが売りか。マクガバン報告には触れていないのが残念。ノンカロリー甘味料がOKというのにもずっこけた。糖尿病対策には良さそうだが、健康になれるのかどうかは疑問が残った。糖質制限で健康を害したという話しもあるようだが、なにが問題だったのか、是非 解説して欲しいところ。

本書の主張は、「精製炭水化物の摂りすぎによる食後血糖値の上昇とインスリンの過剰分泌が生活習慣病の元凶になっている」ということだそうだ。主食NGは少々飛びすぎな感あり。わかりやすいという意味では良いのかもしれない。ただ、根菜類がNGという理由がよく分からなかった。未精製なのだから、問題ないのではとも思う。

糖質制限と健康との関連づけに不満が残った。関連ありそうな研究があることは分かったが、その機序がよく分からない。

本書の主張を意訳してまとめると、「糖質制限をすることで、ブドウ糖ミニスパイクを防ぎ、インシュリンの分泌を減らす。インシュリン抵抗性があったとしても、インシュリンそのものが出ないので、膵臓の疲れを軽減することができる。」ということだろう。であれば、糖質制限が本質ではなく、ブドウミニスパイクを防ぐことが本質であろう。もっと言えば、インシュリン抵抗性を解消できれば、ブドウ糖のミニスパイクの影響も無視できるようになるのかもしれない。


以下注目点
・肥満ホルモンのインスリン。血糖値があがると、インシュリンが大量に分泌される。
・狩猟700万年前、農耕1万年前。穀物主食は700分の一の期間。
・糖質制限食が人類本来の食事。
・アステルパーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームの5種類はゼロカロリーで血糖値も上昇させないので、OK。ダイエットコーラも350mlを一日2缶までならOK。
・英国のヒューマン・ニュートリション中の精製炭水化物とただの炭水化物と混同しているように見える。精製炭水化物とは、ヒューマン・ニュートリションでも特に注意しているように、加工食品のことと思われる。
・問題としているのは、精製炭水化物による血糖値のミニスパイクのみ。白いご飯、白い砂糖、白いパンなど精製された穀物を使った食事が問題と捉えている。未精製の穀物はなんら問題のないように思える。
・ブドウ糖ミニスパイクによる高血糖で、酸化ストレスで、血管が傷つけられる。
・精製されていない玄米などなら、一人前食べても正常人で40位しか血糖値をあげないので、ミニスパイクは生じないので問題ない。ただし、糖尿病のひとだと、150以上スパイクしてしまう。
・肥満や糖尿病の原因は、脂質ではなく、糖質の取りすぎ。
・清涼飲料水に使われているのは砂糖ではなく、果糖ブドウ糖液糖なのだが、その点には議論は及んでいない模様。ブドウ糖ミニスパイク効果は果糖ブドウ糖液糖のほうが強烈なので、その点では議論の大筋ははずしてはいない。
・脂肪酸ーケトン体システム 日常のエネルギー
・ブドウ糖ーグリコーゲンシステム 非常用のエネルギー
・糖質制限の初期は、ケトン体が基準値の30〜40倍になる。人間は昔狩猟していたのだから、血管を傷づけないはず。
・糖質制限により、インスリンを出さないようにすることがポイント。膵臓は休まるので、糖尿病の治療には良いかも。
・インクレチン。インスリン分泌促進。2分で効果半減。
・インスリンにはバックアップシステムがない。血糖をあげる働きはいろいろある。
・糖質は中性脂肪蓄積のため。中性脂肪蓄積は、狩猟時代の日常的な飢餓のセイフティーネット。
・人類の主食は骨。ハイエナの残した骨を食べていた。
・植物性食品では、脳の発達は覚束ないでしょう。
・人類70億を考えると全員に糖質制限はできない。
・糖新生で、低血糖にならないというが、インスリン注射をしている人が低血糖になってしまうのはなぜか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年11月12日
読了日 : 2014年3月6日
本棚登録日 : 2018年11月12日

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