弥勒 (MephistoClub)

著者 :
  • 講談社 (1998年9月1日発売)
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本棚登録 : 108
感想 : 13
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架空の国の、架空の出来事だと思いつつ、引き込まれる・・・
読みながら、以前に読んだ彼女の著書:コンタクト・ゾーン を思い出した。
そこで起きた出来事が、世界に報道されることもないような、世界のどこかにある小国での出来事・・
平等とは何か・・人にとっての神仏とは何か・・
教育と洗脳・・
とにかく盛り沢山で、なのに薄くなく、イタリア語の勉強時間をついつい削って読んでしまった・・・

平等で平和な国づくりを目指したクーデター。
国王を平民に落とし、宗教をなくし、子を親から引き離して未来の国のために再教育をする。
国民の中に上下はなく、みな同じ物を着て、同じ物を食し、労働する・・
一見、理想のように感じる思想の落とし穴。
子供が間違った形で教育されるとどうなるか・・
土着の信仰を無理やり奪うとどうなるのか・・・
人は追い込まれるとどう変化していくのか・・

一つの架空のケースであると思いつつ怖いなって思う。

神は、絶体絶命の時にすがるものであってもいいじゃないか・・ってくだりがほっとした。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 和書・作家さ
感想投稿日 : 2007年8月14日
本棚登録日 : 2007年8月14日

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