聖なる黒夜(上) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2006年10月22日発売)
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本棚登録 : 1832
感想 : 171
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まあとにかく、これを読み終わった時の感動というか感慨というかはハンパじゃなかった。「感動」「感慨」と書いたけど、ものすごくいろいろな思いが一緒くたになって、しばらくぼうっとしていたぐらい。


ミステリのような出だしだけど、ただ「ミステリ」ではない。大物ヤクザの韮崎が何者かに殺害されたのを皮切りに、ストーリーは現在と過去をいったりきったりして進んでいく。


容疑者の一人で韮崎の愛人だった山内、過去に山内を冤罪で逮捕した刑事の麻生、その麻生の学生時代の先輩であり、マル暴担当刑事の及川。この3人の男を中心に、韮崎によってかけがえのないものを失った女たちが絡んで、ストーリーがどう終結するのか、目が離せないのだ。この緊張感、そしてカタルシス。なんだか、いろいろな楽器が徐々に加わっていく即興演奏のようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2011年7月20日
読了日 : 2007年12月31日
本棚登録日 : 2011年7月20日

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