ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2004年10月15日発売)
3.80
  • (1288)
  • (1309)
  • (1979)
  • (98)
  • (22)
本棚登録 : 14411
感想 : 776
5

村上春樹の初期長編の一つ。『羊たちの冒険』の続編的な位置づけで羊男が登場する。現代人にとって生きる指針となる本と言えるのではないか。
上巻では雑文書きをしている主人公が以前のイルカホテルを訪ねるところから、ドルフィンホテルに変わった謎を解きつつ、ホテルで働く女性やユキという女の子、その母親のアメや父親との接触、友人の五反田くん、アメの恋人の詩人、コールガールなどとの会話が描かれる。
村上春樹の作品の特徴の並行世界的な世界観、決して明かされない謎に付きまとわれてストーリーが進む感覚はすでにある。主人公は価値観は確固たるものの不安定さは否めず、向こう側の世界に接しながら/憧れながら、向こう側にはいかないように踏ん張っているが、やむを得ずに向こう側の世界に足を踏み入れたところで夢から覚めて上巻は閉じられる。下巻の展開が気になるところ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月11日
読了日 : 2024年3月11日
本棚登録日 : 2024年3月11日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする