村上春樹の初期長編の一つ。『羊たちの冒険』の続編的な位置づけで羊男が登場する。現代人にとって生きる指針となる本と言えるのではないか。
上巻では雑文書きをしている主人公が以前のイルカホテルを訪ねるところから、ドルフィンホテルに変わった謎を解きつつ、ホテルで働く女性やユキという女の子、その母親のアメや父親との接触、友人の五反田くん、アメの恋人の詩人、コールガールなどとの会話が描かれる。
村上春樹の作品の特徴の並行世界的な世界観、決して明かされない謎に付きまとわれてストーリーが進む感覚はすでにある。主人公は価値観は確固たるものの不安定さは否めず、向こう側の世界に接しながら/憧れながら、向こう側にはいかないように踏ん張っているが、やむを得ずに向こう側の世界に足を踏み入れたところで夢から覚めて上巻は閉じられる。下巻の展開が気になるところ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年3月11日
- 読了日 : 2024年3月11日
- 本棚登録日 : 2024年3月11日
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