あれ?これ、山崎豊子?彼女の本を読んだことがあればあるほど、そう思ってしまうだろう。いつもは社会の腐敗について考えさせられるが、今回はある女の一生を通して人生というものを考えさせられた。
今の時代でも、自分で選んだ結婚相手を親が気に入らず、別れを選ぶカップルがいる。しかし花紋を読むと、それが正しい選択なのかわからなくなってしまう。
自分の意思を尊重する現代的な女性であった郁子が、保守的な結婚をする。保守的な女性ならそれを受け入れ徐々に順応するだろうが、郁子は最初から受け入れず徐々に拒絶を強める。
保守的な家系、意地の悪い継母や妾腹、腹黒い夫が郁子の不幸を一層際立たせるが、郁子自身にももう少し順応する力があれば、数段幸せに暮らすことができたかもしれない。
現実を受け入れる力、それが幸せ力なのだろうと思った。自分も我流を貫き通すことがあるので、この本に学ばなければならないだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本の名作・エッセイ
- 感想投稿日 : 2013年6月12日
- 読了日 : 2013年6月11日
- 本棚登録日 : 2013年6月12日
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