四畳半でくすぶっている「私」は回想する。あの時、●●サークルに入っていたら、というifストーリィを4編繰り返すという構成の短編集。だが、結局どうやっても最も忌避すべき悪友・小津との付き合いやそれに纏わる騒動は付いて回り、やっていることや思っていることはほぼ同じというリミックス。冴えない男共がむにゃむにゃと思索しながらちょっぴり風変わりな事件を巻き込まれたり、起こしたりという森見節はそのままに最終話では少々SFチックな展開に行き着くあたり「神話体系」たる所以だろう。そして、最終的に落ち着くところは人の繋がりということなのか。なんだかんだで全てハッピィ・エンドで小気味良い後味だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年6月13日
- 読了日 : 2018年6月1日
- 本棚登録日 : 2018年6月13日
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