大人の流儀として、語られる言説のそれぞれには、昭和の男の価値観が伺えて、時代と社会の変遷を感じる。全てを大人の流儀として、頷き讃美することはできないが、中には人生を重ねたからこそ発せられる言葉がある。
KYという言葉、最近は聞かないが、若者の狭量な範囲の中での言葉として切り捨てていたり、
『それが世間のすれ違いであり、他人の事情だということを私は後になって学んだ。人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている』などの言葉に、人生の深みを、人間の共通性を感じる。
愛するひとの別れについては、大きな喪失とその哀しみを受け入れていく姿が静謐に語られる。
人生は続いて行くということか。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2022年4月17日
- 読了日 : 2022年4月17日
- 本棚登録日 : 2021年10月16日
みんなの感想をみる