生命とは何か: 物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)

  • 岩波書店 (2008年5月16日発売)
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シュレーディンガーの波動方程式で量子力学の礎を築いた物理学の泰斗が生命の仕組みについて考察した古典的名著です。

生命の遺伝の仕組みや生命活動について、真摯で誠実な筆致で論じており、久々にじっくりと味わいながら読み進むことが出来ました。

古典を読むと、本当にその著者と書斎で対話をしているような気分になれます。

自然界の物理法則が、無秩序で拡散する傾向を持つ中で
非周期性の結晶である遺伝子が生命の情報を堅牢に守り伝え進化させる。

また、生命は周りの秩序(非エントロピー)を取り込んで崩壊して無秩序になるのを防いでいる、自然界の物理法則とは異質の存在。

物理学というロジカルな世界を極めた著者が、生命やこの世界あり方に哲学的に思索を広げられていることに、心を打たれました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年11月4日
読了日 : 2019年11月4日
本棚登録日 : 2019年11月4日

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