先ず小田島の文体が独特な言葉のつながり、使用があり慣れないと少し読みづらいかも知れない。或いは理解するまで時間を要することになる。
独特な視点があるというより、かなり深く考え抜いてるという印象がある。
この本は2011年の初版だが、時代が色褪せている感がある。時事のコラムというのは新鮮さが求められる。だが過ぎ去った過去のものであっても、鋭く抉るように新鮮な洞察をみせてくれる。「君が代」問題である。当初この問題は学校の教職員に対する「指揮系統を顕在化させる踏み絵みたいなものとして機能し」ていたのだが、この国歌を義務化したことは「義務で歌うと、まず歌の心が死ぬ」と鋭くみている。即ち、愛国心を強要してはならないとするものだ。愛国心とは心の中で自然発生的に萌芽し育まれるものだからである。このことを小田島はこんな比喩をしている。
二人の愛の絆であるべき「結婚指輪を身につける法的な義務を帯びているのだとすると」その意味を失うのだ。
それと、小田島の比喩には独特のものがある。これもまた簡単には思いつかない感じがする。村上春樹を思わせるような比喩だ。面白く読ませてもらってる。
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- 感想投稿日 : 2020年4月16日
- 読了日 : 2020年3月28日
- 本棚登録日 : 2020年3月28日
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