大学の夏休みの間、認知症のおばあちゃんのケアを母にバイトとして頼まれてすることになった海斗。
おばあちゃんの日課はもうすでに死んでしまった飼い犬・豆蔵のリードを掴んで豆蔵の散歩をすること。
最初はなんとなく同行していただけの海斗だったが、そのリードを握ると豆蔵を始め、死んだけれど心残りがあって死にきれない人や境目にいるボーダーという存在が見えるようになり、ボーダーの中でも異色なセーラー服の中学生女子、セーラとも出会った。
ケアをする人に自分が向いているのではないかと思った海斗は、ヤングケアラーことボーダレス・ケアラーを自称し、様々なボーダーに関わってゆくが…その結末は?
一気に読み終えた。
深刻すぎず、でもなにか胸にあたたかなものが残る読後感で、読んで良かったと思える。
海斗とセーラのやり取りは見ていて微笑ましいし、海斗の様々なボーダーや生きている人との出会いを、あたたかな気持ちで読める。
他人のために必死になれる海斗の性格も気持ちいい。
生きてても、生きてなくてもお世話します。という副題が柔らかく胸に沁みる。
世代を問わず読んでほしい作品だ。ドラマで見てみたい気もする。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童文学/絵本
- 感想投稿日 : 2023年8月24日
- 読了日 : 2023年8月24日
- 本棚登録日 : 2023年8月24日
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