つむじ風食堂と僕 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年8月7日発売)
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本棚登録 : 1714
感想 : 172
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月舟町シリーズの番外編ということだが、先にこちらが手に入ったので、先に読み始めた

吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」を彷彿させる
語り口はやさしいがまるで哲学書のようだった

りつ君がつむじ風食堂を訪れるお客さんに  
「お仕事は何ですか」
と尋ね、それぞれが自分の仕事や職業観を語って聞かせる

文房具屋さん、肉屋さん、八百屋さん、魚屋さん、果物屋さん、コンビニの店員、宅配運転手、ダンサー・・・
みんなそれぞれが自分の仕事に世の中とのつながりを見出し、誇りを持っている

世の中は、適材適所、それぞれの役割分担で回っていること、それは人間平等であるべきとはまた違った話で、神様の粋なはからいであること

どんな仕事も「好きであること」「愛があること」が基本

しかし、自分の仕事に夢中になるのもほどほどに、適当に遊びながら

コンビニ店員のタモツさんの話もなかなかおもしろい

「コンビニは商店街の救急病院みたいなもの。深夜とかの。それ以外の時は、ちゃんと商店街の専門店で買うべきだよ。それなのに、勘違いしてみんなコンビニに頼り過ぎだよ」

最後は、サンドイッチ屋『トロワ』を営んでいる父親の仕事観で結ばれる

子供たちが、この本で未来をどう生きていくべきか少しでも希望を感じてくれたらいいなと思った

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月21日
読了日 : 2021年1月20日
本棚登録日 : 2021年1月20日

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