のぼうの城 (下) (小学館文庫 わ 10-2)

著者 :
  • 小学館 (2010年10月11日発売)
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感想 : 887
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ずっと前に貸してもらっていたけど、歴史小説をそれまで読んだことがなく、なかなか手を出すことなくいた本。
この年末年始にこそ読んで返さなければ、と半ば強制的に読み始めた。

大河ドラマで『どうする家康』を見ていたので、石田三成や刑部など、画面で動いていた人物と重ねながら読むことができたのは良かった。

のぼうとは「でくのぼう」からのニックネーム。
ぼーっとしているのか、単に何も考えていないのか、それともそれは戦略で人に読まれないよう表情を見せていないだけなのか。

どうやら前者のようだけど、でもここぞというときにみんなが実はそうしたかった、という方向を示せるのがすごい。ぼーっとしていると見せかけてしめるところはしめる。そうじゃないとつっぱねる。
顔は強面でも、心の中で色々あきらめていた丹波がはっとする。

でも普段は頼りなくて、みんなが助けなきゃと支える、支えたくなる。有事には、のぼう様のためならと戦に立ち上がるほどの信頼。

これってめちゃくちゃ有望なリーダー像。。っていう感想ももちろんあると思う。でもまわりにいる丹羽や和泉、靱負がめちゃくちゃ優秀だからこそ成り立つという構図でもあると思う。
リーダーが1人で全部背負うって無理だ。やはり他にも3人くらい有能で個性的な参謀がいることが成功の秘訣かもしれない。だって、ふだんはちょっとぼーっとできる余地があるから…。

ということで来週からの仕事を思って気が重くなりつつある。。





読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月4日
読了日 : 2024年1月4日
本棚登録日 : 2024年1月4日

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