裸者と裸者 下 (角川文庫 う 15-4)

著者 :
  • 角川書店 (2007年12月1日発売)
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上巻に続いて下巻も連続2回読破。
月田姉妹の一見破天荒な雰囲気も根底にある仲間や弱者を想う気持ちの強さの現われであり、それを持って強大な組織や力に臆することなく立ち向かう様は痛快でもあった。
非力を嘆きながらも己を曲げず突き進む月田姉妹は誰よりも強い。だからこそ、あらゆる差別の根絶の提唱に説得力があるんだろう。
『世界はとっくに狂っている』と理解し、ぶっ飛んだ感じでその狂気に“適応”しているように見えた姉妹ではあるが、最後に桜子を亡くした瞬間の椿子の悲しみは誰よりも正常に見え、悲しさを共感しながら『人間でいる限り狂気に適応するなんてできないんだ』と妙に納得できたような気がした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年11月11日
読了日 : 2012年5月17日
本棚登録日 : 2018年11月11日

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