著者は霊長類の研究者で心理学の専門家。そのため、猿などの実験を通して動物と人間の比較からの著書が多いようです。今回は職場などの人間関係に難のあるコミュニケーションに障害のある人、いわゆる「困ったちゃん」をどう扱うか。副題に正しく理解し能力を引き出す、とあります。実際にコミュニケーションの言葉が日々絶えない職場にあって頭を痛めている自分にとって、まず正しく理解しているのか、と考えていたので、この本にある実験結果を読んでなるほどと納得できました。コミュ障の人のコミュニケーションスタイルの違いが認識できたということです。最近科学者ばかりでなく世間を賑わしたあの話題の人も引き合いに出されていたりして、一連の経過も頷けるところでした。
動物性から遠ざかってしまった社会にいる現代人、しかしこの社会に適応してきた私たち人類。これからも増えていくであろう彼らをうまく活かしていく方法も提示されていましたが、実際のところ、お互いの違いを知り理解しようとするのはとっても忍耐のいることであるため、実行するのはなかなか難しいのだろうと思うところもありました
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
正高信男
- 感想投稿日 : 2015年7月26日
- 読了日 : 2015年7月26日
- 本棚登録日 : 2015年7月26日
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