昭和16年夏の敗戦 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社 (2010年6月25日発売)
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国会で自民党の石破議員が薦めると言っていて興味を持った。太平洋戦争のシミュレーションが実際の経過と同じだったというのだが、模擬内閣の若手エリート達よりもむしろ出題側の追い込みの方が際だっていた。フィリピン近海でアメリカに挑発させたり、無理矢理対米開戦させたり、ソ連の参戦をほのめかしたり・・・。わかってたのか。 
戦争が避けられなかった理由はいわゆる統帥権独立=国務と統帥に二元化された政治機構、となっているが、統帥部も必敗なら開戦しないわけで、厳しい戦いだけど何とかなると思ったいいかげんさこそが理由だと思う。日本人だからこの感じはなんとなくわかるけど。 
本としてはどうも描き方が荒くて読みにくかった。若手エリートのひとり志村海軍少佐という人のセリフが印象深い。「勝つわけないだろ」「日本には大和魂があるが、アメリカにもヤンキー魂がある」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年5月10日
読了日 : 2013年3月6日
本棚登録日 : 2013年2月24日

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