著者の作品はこれで二作目。「ある男」でも感じたことだが、彼の作品というのは社会が抱える問題を小説で訴えていると強く感じる。人種差別や、ロスジェネ世代、社会的弱者(、死刑制度)...etc.
自由死が許される近未来で、自由死を選んだ主人公の母。そしてその「本心」を知りたいとAI化された(VF:ヴァーチャルフィギア)母を作成し、本心をさぐろうとする。最後は本心がわかる流れになるのか?それとも…。
亡くなった後、心で生き続けるという言葉もあるがそれは正しくもあり、間違いでもある。家族といえど知らないことだらけ。その人の心の中で生きる誰かはあくまでもその人にしか見せなかった一面にしかすぎない。最愛の人の他者性。
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- 感想投稿日 : 2023年9月3日
- 読了日 : 2023年9月3日
- 本棚登録日 : 2023年8月31日
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