三幕の殺人 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 9)

  • 早川書房 (2003年10月15日発売)
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引退した俳優が主催するパーティで、老牧師が不可解な死を遂げた。数カ月後、あるパーティの席上、俳優の友人の医師が同じ状況下で死亡した。俳優、美貌の娘、演劇パトロンの男らが事件に挑み、名探偵ポアロが彼らを真相へと導く。ポアロが心憎いまでの「助演ぶり」をみせる、三幕仕立ての推理劇場。

読み終えてから、タイトルの上手さに舌を巻いた。最初から最後まで読者は演劇を見ている観客だったんだなあ。語り手や主人公が犯人というのはいまやそこまで珍しくないけれど当時はどうだったんだろう。てっきり証拠隠しに走ろうとしたメイドが怪しいと思ったものの動機が分からず悶々としていた私です。クリスティの登場人物って俳優とか女優がとてもよく出てくるけれど、演技ができるって犯罪には本当に便利な才能だなあ。何度騙されたことか。トリックも動機も好みの作品でした。色恋沙汰が混じるのがいかにもクリスティーっぽい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2021年3月6日
読了日 : 2021年3月6日
本棚登録日 : 2021年3月6日

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