学生時代に古書店で購入。
当時はアルコールを「うまい」と思って飲んだことがなかったので、酒飲みの存在自体が私にとっては空想上の生き物であった。
あれから20年が経ち、365日飲まない日がなくなった今、本書のあれやこれやがグッと身近に感じられる。
洋の東西を問わず、酒が文化・芸術に関与した例は枚挙に暇がないけれども、そこに絶えず付き纏う頽廃的な影?っていうの?だとか、ゲージュツしなくたって酩酊を欲する心理だとか、欲し続けた末にたどり着く奈落の暗さだとか、「薄ら寒いけど覗いてみたい世界」をチラ見させてもらったような。
結局は、自分の人生とどう対峙するか、なんだよねえ。
無頼ならも兄に憧れる反面、自分には無理だなという諦めも。
作中に登場する「薄紫色の液体」、超飲みたい。
読書状況:読み終わった
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├ 中島らも
- 感想投稿日 : 2012年7月12日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年7月12日
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