ホラーです。強烈なホラーです! ゆ〜っくり、じ〜んわり恐怖が襲います。「身の毛もよだつ」体験をぜひこの夏、貴方も! 涼しくなりますよー。
ただホラーと言っても、怪異や妖が忍び寄る怖さではなく「生身の人間の怖さ」です。生きている人間の底なしの悪意や闇、やっぱりこれが一番恐ろしいですね。この独特の恐怖と緊張感、そして読ませる展開とスピード感に惹き込まれます。
生命保険会社勤務の主人公が、保険金支払の査定で不正請求の疑問をもち、独自調査を始めると同時に悪夢のトラブルに巻き込まれていく展開です。
客からの執拗で病的な保険金要求、周囲へも広がる嫌がらせや脅迫まがいの描写は、かなり生々しく臨場感があります。
本作は初版発売が1997年ですが、生命保険制度のモラルに付け込む悪意や病巣について、早い段階から社会への問題提起にもなっています。
(ちょっと余談)ちょうど今、会社ぐるみで保険金不正請求したとして、「◯◯◯モーター」が世間を騒がせていますが、これはこれで怖い‥。
貴志祐介さんは、8年ほど生命保険会社の勤務経験があるそうで、本書を読んだらハイ、納得です。この制度の悪用とホラーの絡ませ方が絶妙で、日本ホラー大賞受賞も頷けます。
個人的には『青の炎』の鮮やかさと読後感の方が好きですが、また別の面の魅力を知らしめ、読者を恐怖の世界に誘う名作と受け止めました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月27日
- 読了日 : 2023年7月27日
- 本棚登録日 : 2023年7月27日
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コメント 5件
みんみんさんのコメント
2023/07/27
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/07/27
みんみんさんのコメント
2023/07/27
NO Book & Coffee NO LIFEさんのコメント
2023/07/27
みんみんさんのコメント
2023/07/27