西の魔女が死んだ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2001年8月1日発売)
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 中学校入学後間もなく、学校が苦痛で溶け込めなくなってしまった主人公のまい。
 そんなまいが、英国人の祖母「西の魔女」と過ごした1ヶ月余りの日々を、回想する形で物語は進みます。
 祖母は、魔女の修行と称して、大きな包容力で孫娘に関わり、「意志の力」(自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力)の大切さを説くのでした。
 更には、自分にとって何が幸せなのか、人間には本来、予想される困難を避けたり耐えたりする力が備わっているのだと教え、上手にまいの潜在能力を引き出していきます。
 いきなり「西の魔女が死んだ。」で始まる物語ですが、死やいじめからイメージする悲壮感がなく、自然の中で瑞々しく爽やかさを感ずる印象さえもちます。
 大人が読んでも、当たり前の生活の中にある大事なことを教えられる気がします。多くの中学生に読んでほしい、読み継がれてほしい名作と呼べる一冊だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年8月2日
読了日 : 2022年8月2日
本棚登録日 : 2022年8月2日

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