夏目漱石の小品集ですね。
7篇の作品集です。
朝日新聞社の依頼で執筆されたそうです。
文鳥
夢十夜
永日小品
思い出す事など
ケーベル先生
変な音
手紙
小品と書きましたけど、私は随筆と思って読んでいました。
解説の三好行雄さんは『日本の近代文学には〈小品〉と呼び慣わされた独自のジャンルがある。小説ともつかず、感想ともつかず、いわば短編小説と随筆との中間にひろがる曖昧な領域なのだ。』と位置付けされています。
漱石もモーパッサンの短編小説『二十五日間』を〈小品〉と呼んでいるそうです。
また、この小品集を三好行雄さんは、「漱石の〈私小説〉と呼んでよいかもしれない」とも語られています。
確かに読んでいて、随筆とはおもむきが異なるようです。筋書きがしっかりしていて、物語性を感じますね。それだけ読むのが楽と言うか、読み進め易さがあります。もともと、漱石の文章は、私には親しみ易さを感じてもいましたが、漱石自身の〈私小説〉ならば余計に親近感が湧くのは当然の事でしょう。
ともあれ、この『小品集』は面白かったです。何回読んでも味が有ります。出版社も様々出ていますので、それぞれで読み直せるのも醍醐味ですね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
純文学
- 感想投稿日 : 2024年4月14日
- 読了日 : 2024年4月14日
- 本棚登録日 : 2024年4月14日
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